今年度の薬草講座、いよいよゴールが近づいて参りました。
これまで、スイバ、紅花などで染めた布がお手玉用に準備されてきましたが、これに加え、1月は栗のイガを用いて引き続き染色を行います(このイガは、9月の薬草講座で採取されたものを用います)。
2,3月には、これまでに染色した布を各自縫い合わせ、お手玉を作ります。
針の持ち方、片付け方など、基本的な針の扱い方を学びつつ、安全面には特に注意して、作業いたします。
開催日や開催場所、申し込み方法などは以下のPDFをご覧ください。
カテゴリー: 薬草講座
第17,18,19回薬草講座のご案内(8/24,9/28,10/26)
身の回りには、実は染色の原料になる植物がいろいろあります。
えつぼJr.に集まって、そんな材料を集めてみませんか?
第17,18,19回の開催場所は「放課後等デイサービスえつぼJr.」になります。
動きやすく、汚れても良い長そで長ズボンで、帽子を被ってお越しください。
薬草講座の様子は、えつぼJr.のインスタグラムでお伝えしています。
第16回薬草講座を実施しました
7月27日(土)、河和田コミュニティセンターのキッチンルームで第16回の薬草講座を実施し、12名の方に参加いただきました。
今回のテーマは「小豆を撒く&豆絞り体験」です。
まずは嶋田先生から、前回に引き続き、紅花で染色しました。


染色液が準備できたら、いよいよ豆絞りの準備です。
お手玉サイズの布片に、大豆と輪ゴムを使って、小さなてるてる坊主を作っていきます。
それを染色液に入れて15分ほど待つと、木綿の布はきれいなピンクに、絹の布は優しい桃色に染まりました。



試飲した薬茶は、梅を燻製した真っ黒の「烏梅(うばい)」が入っていることが特徴です。
お口に合った子供たちもいたようで、おかわりして飲んでいました。
最後に、キッチンルームから外に出てプランターに小豆を撒きました。
プランターはえつぼJr.で大切に育てています。芽が出るのが楽しみです。
次回は8月24日、「クサギの実とツユクサの花を取りに行こう」をテーマに実施します。
実際に収穫を行うため、これまでの薬草講座と異なり河和田コミュニティセンターから外に出て、えつぼJr.で集合します。
詳しい場所等については、また本ホームページでお知らせいたします。
[再] 第16回薬草講座「小豆を蒔く&豆絞り体験」のご案内(7/27(土) 13:00-14:30)

第16回の薬草講座について、再度のご案内です。
今年度は、「自分で染めた布でお手玉を作ろう」を目標にして薬草講座を開催しています。
前々回はギシギシで黄色と緑に、前回は紅花で薄黄色や薄紅色に染めました。
7月27日の第16回ではお手玉の中身としても使う予定の小豆を蒔きます。
また、「豆絞り」という絞り方の染色体験してみます。
場所は河和田コミュニティセンターです。
単発での参加も可能ですので、薬草や染色にご興味のある方のご参加をお待ちしています。
第15回薬草講座を実施しました
6月15日(土)、河和田コミュニティセンターで第15回の薬草講座を実施しました。参加者は17名、そのうち7名は小学生以下のお子さんに参加いただき、にぎやかな講座となりました。
今回のテーマは「紅花で絹と木綿を染めてみよう」。まずは嶋田先生から紅花の染色手順を教わりました。


手順を聞いたら、いよいよ実践!あらかじめ紅花を水につけておいたバケツには、濃い赤褐色の液が溜まっていました。ただし、これは黄色が濃く出た色とのこと。紅花は黄色と赤色の2種類の色素を持つため、目的の赤色の色素を出すために、まず黄色の色素を出し、何度か水ですすぎました。



その後、赤色の色素を出すために灰汁(液性はアルカリです)を入れて、手袋をしてもみもみ。花の色が薄くなるまで、揉み続けます。赤色の染色液が抽出できたら、酸性のお酢を入れて発色を良くします。そこに、お手玉用のサイズに切った絹と木綿の布を入れ、箸で浸しました。




今回は布を乾かす時間が無かったため、このまま持ち帰っていただき、お家で乾燥してもらいました。参加者の方から送っていただいた写真では、絹は黄色に、木綿は薄い桃色に染まっていました。同じ染色液でも、布の素材が違うと色が変わるのですね。

作業後は休憩タイム。久しぶりにオリジナルブレンドの八宝茶をいただきました。
今回の材料は「桂皮」「クコ」「金銀花」「氷砂糖」「桑茶」「菊花」「棗」「グリーンレーズン」「竜眼」。参加者各自が、好きなように材料をブレンドして、お湯を注いでいただきます。嶋田先生が作られた薬草パンと、参加者の方が提供くださったかき餅も一緒にいただきました。お子さんにも大人気でした!




薬草パンに入れた薬草は、枸杞、大棗、胡桃肉、黒胡麻の他、緑豆を入れました。
薬草講座では薬草パンの手作りモニターを募集しています。薬草パン用の薬草を購入いただき、完成品を共有してくださった方には、次回から使える50円引き券をお渡ししています。パン焼き機がなくても、フライパンやホットケーキミックスでもおいしく作れるとの情報が集まっています。ご興味のある方、ぜひ薬草講座にお越しください。
次回は7月25日、第16回薬草講座「小豆を撒く&豆絞り体験」を予定しています。お手玉で使う小豆も自分たちで撒いてみましょう。また、小豆を使った染め方「豆絞り」を体験します。どんな模様になるでしょうか、楽しみです。
皆様のご参加をお待ちしています!
薬草講座のご案内 第15回:紅花で絹と木綿を染めてみよう 第16回:小豆を蒔く&豆絞り体験

第15回と第16回の薬草講座のご案内です!
今年度は、「自分で染めた布でお手玉を作ろう」を目標にして薬草講座を開催しています。
前回はスイバで黄色と緑色に染めました。(前回の様子はこちら)
6月15日の第15回では昔から赤色の染料として使われた記録がある紅花を使って染めてみます。
また、7月27日の第16回ではお手玉の中身としても使う予定の小豆を蒔きます。豆絞りでの染色も体験してみます。
場所は河和田コミュニティセンターです。
お子様にも分かりやすい内容、楽しめる内容を計画しています!
単発での参加も可能ですので、薬草や染色にご興味のある方のご参加をお待ちしています。
第14回薬草講座を実施しました
5月25日(土)、河和田コミュニティセンター2階のキッチンルームで第14回薬草講座を実施しました。現地で7名、オンラインで2名の方にご参加いただきました。また、今回からは放課後等デイサービス えつぼJr.の利用者が体験活動の一環として参加しました。
今回のテーマは「色を決める媒染剤」。前回と同じくタデ科スイバの根の抽出液を使い、今回は2種類の媒染剤で染めてみました。媒染剤には、色素と繊維を結びつける作用、染まる色を変化させる作用があります。まず、前回と同じく収穫直後に電子レンジで加熱したスイバと、そのまま乾燥させたスイバそれぞれを水から煮だして抽出液を作りました。電子レンジ処理した根の方が赤みが残っており、抽出液にも根の色の違いが反映されています。その後、それぞれに「ミョウバン」か「酢に鉄釘を浸した水」を媒染剤加えました。すると、根の加熱処理に関係なく、ミョウバンを加えたものは前回と同じく鮮やかな黄色に、鉄釘の水は同じ抽出液だったと思えないほど黒味を帯びた緑色へと変化しました。これに水に浸した絹布を30分ほどつけて加熱すると、目に優しい黄色と深緑色になりました。同じ根から得られた色だからでしょうか、相性の良い二種類の色に染まりました。



講座中はドクダミと桑の薬茶をいただきました。染め上がった布を待つ間は、薬草講座おなじみの薬草パンをいただきました。



次回は6月15日、「紅花で絹布と綿布を染めてみよう」を予定しています。これまでと異なり第3土曜日となりますので、お間違いのないようお越しください。薬草や染色にご興味のある方のご参加をお待ちしています!
第14回薬草講座 色を決める媒染剤

第14回薬草講座「色を決める媒染剤」を、5月25日(土)13時から14時30分に河和田コミュニティセンターで開催します。
参加をご希望の方はstaff@etubolab.orgまでご連絡ください。
皆様のご参加をお待ちしています!
前回(第13回)の薬草講座の様子はこちら
第13回薬草講座を実施しました
4月27日(土)、河和田コミュニティセンター2階のキッチンルームで第13回薬草講座を実施し、9名の方がご参加下さいました。 今回は前回テーマの「ギシギシ」と同属植物である「スイバ」。河和田でもごく普通に見られる植物です。まず最初に、スイバの根(2024年4月11日河和田地区内で採取)を刻んで2つに分け、一方を電子レンジで600W 3分間加熱、もう一方は加熱処理なしで、それぞれ乾燥させたものの色を観察しました。加熱処理なしのものが薄く黄色みを帯びているのに対し、電子レンジ処理されたものはより赤みが強いのが分かります。この色の違いの要因は、根に含有される酵素によると考えられます。電子レンジ処理すると酵素は失活、即ち働くことができなくなります。
色素が植物体内中にある時は、グルコースやラムノースなどの糖と結合していることが多いです。ある種の酵素は、この色素と糖との結合を切る役割を果たします。前述のとおり、電子レンジ処理されると酵素が失活し(酵素の作用がなくなることです)、色素と糖は結合したままです。スイバの場合は、色素と糖が結合している方が、赤みが残りました。
植物色素と酵素の働きについて、以下の論文では槐(エンジュ)の花蕾を例に詳述されています。槐の花蕾が黄色原料とされる際は、伝統的に加熱処理がされます。この処理で酵素は失活します。色素には糖が結合しており、この形になることで色素が壊れにくい、即ち変色しにくい、ということが科学的に示されています。
Zhang, X., Cardon, D., Cabrera, J.L. et al. The role of glycosides in the light-stabilization of 3-hydroxyflavone (flavonol) dyes as revealed by HPLC. Microchim Acta 169, 327–334 (2010). https://doi.org/10.1007/s00604-010-0361-x
でもどの植物でも酵素を失活させた方が赤みが残る、というわけではありません。植物によっては、酵素が働いて糖が切り離された方が美しい色を示すものもあります。そのうちの1つが茜(アカネ)の根です。
Zhang, X., Cardon, D., Cabrera, J.L. et al. The role of glycosides in the light-stabilization of 3-hydroxyflavone (flavonol) dyes as revealed by HPLC. Microchim Acta 169, 327–334 (2010). https://doi.org/10.1007/s00604-010-0361-x
乾燥させたスイバを水から煮だした抽出液は赤褐色でしたが、これにミョウバンを混ぜると鮮やかな黄色に。絹布を15分ほどつけておくと、鮮やかな黄色い布に染まりました。




第13回の今回は、スペシャルゲストとして中国の重慶中薬研究院の吉光先生に参加していただきました。薬草講座講師の嶋田先生の先輩で、中国で薬草の研究をされています。薬草講座の中でも所々でコメント頂き、薬草についてより深く知る貴重な機会となりました。
また、笑壺研の小越先生が著者の一人である教科書「DX時代の観光と社会」の紹介がありました。こちらなんと、第6章 「伝統産業と観光」が鯖江市河和田地区をテーマとしており、薬草講座についても取り上げられています!河和田の観光や観光とDXの関係について興味があれば、ぜひご購入下さい。


今回も講座中に、参加者からお土産をいただきました。
乾燥ナツメと緑茶は吉光先生からのお土産です。緑茶は中国式に、カップに茶葉を入れてお湯を注ぎ、茶葉が沈んできたら飲み頃とのこと。棗は新疆ウイグル自治区の産で、日本で見られる棗より、ずっと大きなものでした。
栗羊羹は吉光先生や小越先生の地元・石川県小松市で有名なものだそうです。緑茶ととても合いました。
また、近郊で栽培されたという菊芋をいただきました。生のままスライスしていただくと触感がシャクシャクしていて、参加者からは「甘酢漬けにするとおいしそう」といったアイデアが浮かんでいました。参加者から伺った食べ方は、きんぴら、乾燥粉末にしてお茶とする、などでした。





次回は5月25日(土曜日)、午後1時半からです。今回の講座を受け、色素と布を結び付け、かつ色味を変える媒染剤について焦点をあててみます。今回は電子レンジ処理したスイバの根を使いましたが、自然乾燥された根も気になりますね。次回は両者を色素材料として使います。
ご興味のある方は staff@etubolab.org までご連絡ください。
第13回薬草講座 スイバで染めてみよう
前回の第12回薬草講座では、タデ科ギシギシの根に焦点を当てましたが、同属植物であるスイバの根も一緒に観察しました。
ギシギシの黄色い根は中央アジアなどで黄色染料として利用されてきた歴史がありますが、
スイバの根はギシギシより赤みを帯びた鮮やかな黄色でした。
こちらも染料として利用できないか、試してみたいと思いました。
チラシの植物の写真は、4月16日に鯖江市北中町で採集、調整したスイバの根です。
刻まれた根は、現在室内で乾燥中です。
今回はこの根をお湯で抽出し、その抽出液で絹布を試験的に染めてみます。
第13回薬草講座は3月27日(土曜日)13:00-14:30、河和田コミュニティセンターで開催します。
これまでの薬草講座と曜日・時間が異なりますので、ご注意ください。
参加費 は500円(家族参加は2人目から無料)となっています。
参加をご希望の方は参加者全員の氏名、連絡先(携帯電話)をメールでお知らせください。
皆様のご参加をお待ちしています!